沃新书屋 - 創造都市への挑戦 - 作者:佐々木雅幸

佐々木雅幸

人物简介:

佐々木雅幸(ささき・まさゆき) 1949年生まれ.京都大学大学院経済学研究科博士課程修了.専攻=文化経済学・都市経済学.経済学博士.金沢大学経済学部教授,ボローニャ大学客員研究員,立命館大学政策科学部教授を経て,現在は大阪市立大学大学院創造都市研究科教授.同大学都市研究プラザ所長.文化経済学会〈日本〉前会長.国際学術誌City, Culture & Society (Elsevierから刊行)の編集長を務める.主著『創造都市の経済学』『現代北陸地域経済論』『沖縄21世紀への挑戦』『創造都市への展望-都市の文化政策とまちづくり』『創造都市と社会包摂』.

創造都市への挑戦书籍相关信息


内容简介:

巨大開発で都市の再生を夢見ることは可能だろうか.ヒューマンスケールで芸術文化,職人企業,自治が開花する街づくりこそ,内外で関心が高まる創造都市への道である.街の個性を活かし芸術文化を要にして,都市をどう再生していくか.ボローニャ,金沢など内外の諸都市の最新の挑戦を紹介し考察する.今まちづくりを考える必携書. ■編集部からのメッセージ この十年間,「創造都市」という言葉を聞く機会が少しずつ増えてきたように思われます. ニューヨーク,ロンドン,東京などの世界都市に代わる都市像として,創造都市への関心が日本でも高まりつつあるのでしょう.創造都市とは人間の創造活動の自由な発揮に基づいて,文化と産業における創造性に富んだ都市です.同時に脱大量生産の革新的で柔軟な都市経済システムを備えた都市です.海外ではイタリアのボローニャ,日本では金沢が代表的な事例としてあげられます.創造都市の系譜をたどれば,ラスキン,モリスの「文化経済学」を受け継いで,独自の都市論を完成させたマンフォードが「人間の創造活動を充実させる都市の再建」という思想を結実させたことが注目されます.それを受け継いだのがジェイン・ジェイコブズです.彼女はチャールズ・セーブルの研究に刺激を受けながら,ボローニャやフィレンツェなど中部イタリアの都市に着目し,これらの都市の主役である職人企業こそ大量生産システムとは一線を画してイノベーションとインプロビゼーション(臨機応変の改良)を可能にしていく原動力となることを見抜きました.さらに20世紀末になると芸術文化が持つ創造的なパワーを生かして,社会の潜在力を引き出そうとするヨーロッパの都市の試みが日本にも創造都市論として伝えられてきました.著者はその流れと相呼応して,日本での創造都市への探求を試みる第一線に立ち続けてきたのです. 2001年に本書が単行本として小社から刊行された後,大阪市立大学大学院に創造都市研究科が設置され,著者は同学科で研究と教育に携わるようになりました.2004年にはユネスコが提唱した「創造都市ネットワーク」がボローニャ,バルセロナ,モントリオールなどが牽引することで始まりました.2007年からは文化庁が国内の創造都市ネットワーク化の支援に乗り出しています.横浜,神戸,金沢らが先頭に立って,創造都市ネットワーク日本を設立する準備も急ピッチで進んでいるようです. また井上ひさし『ボローニャ紀行』(文藝春秋)の刊行は,ボローニャという都市の知られざる魅力を多くの読者に伝えました.これらのことが追い風となって,この十年間本書は予想以上の読者を獲得してきたのです.今回,岩波現代文庫版を刊行するに際してこの十年間の創造都市への関心の高まり,内外での注目すべき事例などを大幅に加筆していただくことによって,本書の魅力をさらに高めました. 街づくりや都市の再生に関わるすべての方々に,本書のご一読をお勧めします.芸術と文化を基軸として都市の再興を構想していくことが,日本再生に向けた突破口になるのではないかと思います.今や巨大開発で都市再生を夢見ることはできません.芸術文化が輝き,職人企業が健在で自治が開花するヒューマンスケールの街づくりこそ,求められていると思います. 本書からそのためのヒントを探っていただければ幸いです. 岩波現代文庫 社会242