沃新书屋 - 浪費するアメリカ人 - 作者:ジュリエット・B.ショア

ジュリエット・B.ショア

人物简介:

ジュリエット・B.ショア(Juliet B.SCHOR) 1955年米国生まれ.マサチューセッツ大学で賃金変動の研究により,博士号を取得.『働きすぎのアメリカ人』で注目を集める.ハーバード大学准教授を経て,現在ボストン大学社会学教授. 2011年,小社より豊かさ概念の転換を問う新著 PLENITUDE:The New Economics of True WEALTH が刊行される. 森岡孝二(もりおか こうじ) 1944年生まれ.関西大学教授.株主オンブズマン代表.

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内容简介:

米国の中流階級は,過剰に消費しても満足できないばかりか,満たされぬ思いはなお強まる.アイデンティティと社会的ステータスの表現として,浪費が定着してしまったのは何故か.日本は果たして無関係か.本書は実例を豊富に紹介しつつ,浪費の背景に「働きすぎと浪費の悪循環」が存在していることを解明し,浪費を止める道を提言する. ■編集部からのメッセージ 世界同時不況の端を開いたアメリカの金融危機の勃発から二年あまりが経ちます.日本国内でもデフレの進行と景気の低迷の下で人々の閉塞感は強まっています.私たちの生活と労働はこの先どうなっていくのでしょうか.停滞しているかに見える消費が再び勢いを取り戻すことはあるのでしょうか. それらを考えていく上で,本書は貴重な示唆を提供しています.本書は『働きすぎのアメリカ人』で日本でも注目された著者が,「資力以上に金を使う」アメリカ人の浪費行動ににメスを入れて,アメリカ内外で大きな反響を集めました.消費社会論を丹念に検証して議論が組み立てられているので,本書の信頼性は高いものがあります.学者の仕事でありながら,関係者への周到な取材が行われており,実にいきいきとした叙述になっています. アメリカの中流階級は長らく,まるで明日はないかのように消費を続けてきました.にもかかわらず,消費が増えるほど,ますます満たされない思いが強まるのでした.現代社会では,商品はある種のシンボルとなっています.人びとは何を持ち,何を身につけているかで自己のアイデンティティと社会的ステータスを表現しようとするのです.なぜアメリカ社会にここまで消費社会が浸透してしまったのでしょうか.本書では「働きすぎと浪費の悪循環」がアメリカ人の浪費の根底に横たわっていることを解明し,どうすれば浪費から抜け出すことができるのかを実例を豊富に紹介しながら具体的に提案しています. 本書は平明な叙述で書かれた出色のアメリカ社会論であり,堤未果さんの岩波新書『貧困大国アメリカ』とはまた別の角度からアメリカ社会の陰影を浮き彫りにしているといえるでしょう.長らく日本社会は,アメリカ社会を追いかけてきた感があるだけに日本で消費・生活・労働に関わる広範な市民の方に本書のご一読をお薦めする次第です. なお本文中に具体的なブランド名が本文中に満載されていますが,巻末には「日本語版のための用語解説・索引」が付されています.この種の情報に疎い方々にとっても全く苦にならないといえます.本書をぜひご一読下さい. 岩波現代文庫 社会214